雨漏りの工事費用は決して安価ではありません。できることなら自分でなんとかしたい、できるかぎり安く済ませたい、と思う方も多いのではないでしょうか?
実は、雨漏りの対策は手を打つのが早期であればあるほど、費用も手間も減らすことができます。小さな欠陥を見過ごしていると、ついには専門業者に依頼する必要性に迫られ、大きな出費につながってしまうのです。
今回は、自分でできる雨漏り修理と応急処置として「コーキング」という作業をご紹介します。以下の情報を参考に、守るべきルールをきちんと守って、安全に雨漏り対策をしてください。
コーキングとは
そもそも、コーキングという単語を初めて聞く方もいらっしゃると思います。コーキングとは、塗装工事においては隙間を埋めることを指します。建物の目地や隙間を埋めることによって、防水加工を施し雨漏りから守るための施工です。
専門的にはシーリングとも呼ばれます。厳密には素材に違いがあり、コーキングは油性の素材を使われることが多いです。反対にシーリングは液体など固形素材でないものを使用されますが、どちらも雨漏りを防ぐためという目的に違いはないとされています。
注意点
このコーキングというのは万能ではなく、あくまで応急処置なので、これのみの雨漏り対策は絶対ではないとされています。具体的にどのような注意点があるのかを以下で見ていきましょう。
傷みが比較的早い
コーキングは外壁より傷みが早いのが特徴です。目地の耐用年数は3~5年とされ、はがれやひび割れなどの現象が生じます。そのような状態になると防水性能が失われ、雨漏りの原因となることもあります。
自分で修理するのが困難
昨今ではDIYで比較的個人でも簡単に修理することが可能とされています。しかし適切に目地の隙間を埋める技術が必要になるため一時しのぎにしかならないことが多いです。コーキングが劣化したときは、なるべく適切な施工を行うことが可能な雨漏り修理のプロに相談するのがいいでしょう。
雨漏りのチェック箇所
雨漏りが発生していないか、チェックする場所はいくつかあります。ほとんどの雨漏りは以下のところから発生するとされています。
スレートや瓦の割れとずれ
屋根は雨風のダメージを受けやすく他の部分に比べて劣化しやすい傾向があります。そのため強風時や激しい雨が降った後には損傷している恐れがあるので定期的にチェックするのがいいでしょう。高所に登る必要があるため、危険を感じたら専門的に行っているプロに相談しましょう。
防水シートの隙間
経年劣化によりシーリングにわずかな隙間ができてきます。そのような状態になると外を流れ落ちた雨水が侵入してくることもあります。必要以上に侵入させるのを防ぐために防水シートが張られているのですが、ときには施工不良により隙間ができることもあるため注意が必要です。
ひび割れはコーキング補修することができます。瓦のずれや割れは交換ができますが、瓦の種類を見分けることは難しいかもしれません。そのため知識が豊富なプロに依頼するのが無難です。
作業手順
個人で修理する場合、どのようなものを用意してどのような手順で作業すればいいのか気になるところだと思います。まず準備するものとして以下のようになりますので確認していきましょう。
- シーリング材
- プライマー
- ヘラ
- カッター
- マスキングテープ
シーリング材はもちろんのこと、プライマーという専用の接着剤も必要です。また、シーリング材の種類は様々なので、用途に一致するものを用意しましょう。
続いてコーキング補修の手順についてご紹介します。
1.既存のコーキングを取り除く
劣化して硬化してしまったコーキングの上からでは接着性が悪くなるため、一度古いコーキングは取り除く必要があります。古いものを取り除く場合はカッターを使用して作業しますが、その際に下地の素材まで削らないように注意が必要です。
2.マスキングテープを張る
新しいコーキング材を充填する前に、しっかり掃除をして清潔な状態にしましょう。さらに、余計な部分にコーキング材が付着しないようにマスキングテープで保護することを忘れてはいけません。
3.プライマーの塗装
次に必要なのが、プライマーの塗布です。コーキングだけではしっかり目地と接着しないため、必ずプライマーを使用して密着性を高めましょう。適切に塗布しなければ水が侵入してくる恐れがあります。
4.コーキング塗装を施す
プライマーが乾いた後でコーキング材を使用していきます。塗装した後もそのままにするのではなく、ヘラなどで中に空洞ができないように表面を滑らかにしなければなりません。この作業はとくに技術が必要とされているので、自身がない方はすぐに雨漏り修理のプロに相談しましょう。
5.マスキングテープをはがす
作業を終えたらマスキングテープをはがします。はがす前にコーキング材が乾くのを待っていると、マスキングテープも固まってはがすのが困難になるため、なるべく早くはがすようにしましょう。
場所によってコーキング以外の手段がある場合
場所によってはコーキング以外で雨漏りを防ぐ方法もあります。突然の雨漏りであれば、コーキングで対応するのは難しいでしょう。そのようなときは、屋根にビニールシートを被せる、コーキング箇所を防水シートで覆うなどの方法があります。
しかし、これらはいずれも応急処置にしかならず長時間耐えることは困難です。そのため雨漏りを発見したらすぐに修理の相談をすることが大切です。雨漏り修理のプロはコーキングの特徴を把握し、コーキング材の取扱いに長けているため、自分で作業するよりも的確に行ってくれます。
また、事前に雨漏りの疑いがある場所を調査し、被害を未然に防ぐよう努めることも大切です。
まとめ
コーキングは自分で修理し施工することも可能ですが、誤った方法で作業した場合事態を悪化させてしまう恐れがあります。正しく施工するのも専門的な技術が必要であり、必要なものを揃えても作業が困難になる場合があります。
専門的な業者でなければ分からないことや難しいことが多く、あくまで応急処置であることを踏まえると、雨漏り修理のプロに相談するのが一番安心です。
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