家を建てる際、トラブルが起こりにくい屋根にしたいなら4寸勾配がおすすめです。2寸勾配・4寸勾配・6寸勾配など、屋根にはさまざまな勾配がつけられますが、雨漏りのリスクや施工のコストなどに違いがあります。
どの勾配がよいかは家を建てる人の好みや要望によって異なりますが、デメリットが少なくトラブルのリスクが低いのは4寸勾配です。
本コラムでは、屋根勾配の違いによるメリット・デメリットや4寸勾配をおすすめする理由について詳しく解説します。理想の屋根の家を建てるために、ぜひ参考にしてください。
屋根勾配は大きくわけて3種類
屋根勾配とは、傾斜のついた屋根の角度のことです。屋根勾配は大きくわけると急勾配・並勾配・緩勾配の3種類あり、それぞれ違った特徴があるのです。各勾配のメリット・デメリットを知って、理想的な屋根勾配を見つけましょう。
急勾配|6寸勾配以上
急勾配の屋根のメリットは機能や見た目などさまざまな部分にあります。角度が付いているぶん、雨水が屋根にたまりにくく雨漏りのリスクが低いことや屋根に高さが出るので屋根裏が広く使えることなどです。さらに、比較的見た目にインパクトがあるので、デザイン性の高い屋根にしたいという方に最適です。
しかし、屋根の面積が大きくなったり、工事の際に足場の設置が必須だったりするため、工事の費用は高くなります。また、風の影響を受けやすいため、強風などへの耐性が低くなるというデメリットもあるので、覚えておきましょう。
並勾配|3寸・4寸・5寸勾配
並勾配は日本で広く普及している屋根勾配といわれています。スレートや瓦などさまざまな屋根材にも対応できる勾配なので、好みに合わせた屋根を選択しやすいというメリットがあります。また、急勾配ほどではありませんが雨漏りのリスクも少ないです。
屋根工事の際は、内容によっては足場を使わないこともあるため、費用が安く済む可能性があるのも重要なポイントです。しかし、最大のメリットはデメリットがほとんどないということです。普及率が高いために個性を出すことは難しいですが、それ以外はあまりデメリットがありません。
緩勾配|3寸勾配以下
緩勾配は、費用が安いことが最大のメリットといえるでしょう。屋根の面積が小さいため材料費などを抑えることができ、工事費用が安くなるのです。また、高さがなく風の影響を受けにくいという特徴もあります。
ただし、雨やホコリなどがたまりやすい構造のため、雨漏りのリスクは高く屋根の劣化も早くなるおそれがあるので注意が必要です。
さらに、緩勾配では屋根材の選択肢が狭まります。屋根のデザインにこだわりのある方は、選択肢の広い別の勾配を選んだほうがよいでしょう。
屋根勾配は4寸勾配以上がおすすめ
並勾配はデメリットが少なく屋根材の選択肢も広い人気の高い勾配です。では、なぜ屋根材の選択肢が多いのかを解説します。
屋根は素材によって必要最低勾配が決まっているため、使用したい屋根材がある場合はその素材の必要最低勾配以上の勾配をつける必要があるのです。
たとえば、ガルバリウム鋼板などの金属製の屋根材は比較的どのような屋根でも設置可能で、1寸勾配以上あればよいとされています。そして、スレート屋根は3寸勾配以上、瓦屋根は4寸勾配以上で設置可能です。
このように、4寸勾配以上であればどのような屋根材でも設置することができるため、デザインもさまざまなものが選べます。家を建てる際はもちろん、リフォームなどで屋根のデザインを変える際にも、4寸勾配以上であれば選択肢が広がってさまざまな雰囲気に変更可能です。
伸び率の計算は業者にまかせれば問題ない
屋根工事をおこなう際には、工事に必要な材料などを考える上で伸び率計算をしなければなりません。屋根は傾斜が急になるほど、勾配伸び率が高くなり面積が広くなります。面積が広くなればその分必要な材料が増えるので、正確な費用を導き出すために伸び率計算が必要なのです。
ただし、屋根の面積や伸び率計算については屋根工事をおこなう業者が理解していれば問題ありません。基本的には計算方法を知る必要はありませんが、気になる方は家を建てる際に業者に聞いてみるとよいでしょう。
台風や屋根の劣化による雨漏りは業者に修理を依頼しよう
屋根勾配によって雨漏りや台風などによる被害を受けるリスクに差はあります。しかし、どのような屋根の家に住んでいてもトラブルが起こるリスクはあるものです。
屋根工事は高所の作業で足場が必要になることもあるため、修理は業者に依頼する必要があります。屋根修理の費用相場や費用を抑えるポイントについても覚えておきましょう。
業者に修理を依頼した場合の費用相場
業者による修理は、修理の方法や範囲などによって費用が変わります。既存の屋根の上から新しい屋根材をかぶせるカバー工法は約60万円~120万円、新しく屋根を葺き替える場合は約70万円~200万円、部分修理は約5万円~30万円が相場です。
上記の金額は足場の有無などによって費用が大きく変わるため、金額に開きがあります。詳しい料金は業者によっても変わるので、作業を依頼する前に見積りをとるなどして確認することをおすすめします。
雨漏り修理に火災保険が適用されるケース
家を建てる際には、火災保険に入ることが多いでしょう。火災保険という名称から火災被害に関する補償をおこなうものだと思っている方も多いですが、台風などの被害を受けた際にも適用されることがあるのです。
台風や竜巻などの強風によって屋根が壊れて雨漏りした場合は、火災保険の中の風災に分類されて保険が適用されることがあります。
ただし、詳しい保険適用の対象は保険会社によって異なるので、雨漏り被害にあった際には保険会社のパンフレットなどを参考にして申請前に調べておくとよいでしょう。
また、雨漏りの修理で保険適用の申請をおこなう場合は、被害を受けたときから3年以内に申請しなければなりません。それ以上は法律によって時効の扱いになってしまうので、できるだけ早めに申請をおこないましょう。
業者修理は弊社におまかせ
保険適用の有無に関わらず、実際に屋根の修理をするのは業者の役目です。雨漏り被害を受けた際には、弊社を利用して業者探しをおこないましょう。
弊社では、電話で状況をお聞きして、迅速に対応可能な業者のご紹介をおこないます。お住まいの地域に合わせて近くの業者を手配することも、作業依頼の前に見積りを依頼したいというご要望にお応えすることも可能です。
また、相談窓口では24時間365日受付対応をおこなっているので、お忙しい方でも利用しやすいという特徴があります。納得のいく業者が見つかるようにご協力いたしますので、まずは一度弊社にお電話ください。
まとめ
普段何気なく見ている屋根ですが、勾配が違うだけでさまざまな違いがあると知ることができたのではないでしょうか。
4寸勾配は、屋根勾配の中でももっとも一般的でデメリットの少ないものです。機能面でも不便はなく、見た目の選択肢も広くなります。屋根のデザインにお悩みの方は、4寸勾配にして色や素材で個性を出せるよう考えてみましょう。
また、急勾配や緩勾配にしたい方も、特徴をよく知っていればトラブルが起こった際に対処しやすいはずです。本コラムを参考にして屋根勾配について考え、理想の屋根の家を建てましょう。
【雨漏り修理の住宅構造に関する記事はこちら】
■総二階とはどのような家のこと!?特徴やメリット、徹底網羅しました
■ケラバとは屋根の突き出した部分のこと!大切な役割と修理方法を解説
■野地板は屋根の大事な下地!こまめな増し張りで雨漏りに対策をしよう
■DIYで庇の後付けは危険!住宅の玄関に庇をつけるならプロに相談