昔から屋根の資材として使われてきたトタン。
戦後に大流行し、家の屋根はずっとトタン屋根だという方も多いのではないでしょうか。
コスト面や手早く施工できることなど、まだまだメリットの多いトタン屋根ですが、サビや色あせ、剥がれなど、長く使っているとメンテナンスが必要な状態になることでしょう。
この記事ではそんなトタン屋根の特徴を解説するとともに、トタン屋根を自分でメンテナンスしたい方のためにトタン屋根の塗料のおすすめを種類や選び方とともに紹介させていただきます。
目次
トタン屋根ってどんな屋根?
比較的古い家の屋根に使われていることが多いトタンは、高度経済成長期に主に使われた屋根材です。
トタン屋根の特徴
トタン屋根は軽いため地震に強く、瓦屋根に比べて材料や工事費用も安く、施工期間も短く済みます。またその軽さから、雪が上に積もっても建物への負担が最低限で済み、崩壊の危険性を減らすことができます。そのため現在でも、東北や北海道などの雪国を中心に使われているようですね。
屋根に使われるトタンの多くは波板と呼ばれる波状になっているものです。波板は通常の平らな板よりも、強度がさらに強くなっています。
トタン屋根の劣化症状
トタン屋根のデメリットは耐久性にあります。強度は確かに強いものの、一度サビができてしまうとそこから急激に広がりやすいのです。サビが進行すると穴があき、そこから雨漏りしてしまいます。
トタン屋根が劣化したら塗料を塗って修復をしよう
トタン屋根にサビが見つかったら、早いうちに塗り替えなどのメンテナンスをしなければなりません。穴があいてしまうと塗料を塗るだけでは塞げませんので、劣化が見つかった時点で塗料を塗って修復します。また剥がれも、そこが錆びてしまう一歩手前の状態ですので修復してしまいましょう。
トタン屋根塗装の流れ・手順
トタン屋根の塗装は、
- サビや剥がれを取り除く
- 高圧洗浄
- 下地の修復
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
の順番で施工していきます。
まずサビや腐食、剥がれをワイヤーブラシやサンドペーパーで削り落とします。錆びたトタンやまだ一度も塗装をしていないトタンはこれだけでよいのですが、カラートタンの場合は革スキやサンドペーパーなどで古い塗料をある程度落とす必要があります。これは重なった塗膜の一番下の塗装が劣化し、まとめて剥がれてしまうおそれがあるからです。
次に削り取った際に出たゴミや汚れなどを、高圧洗浄機を使用してきれいに洗い流します。高圧洗浄が完了したら、浮いたトタンやクギ、継ぎ目などを修復します。その際屋根側面の、塗料を塗らない面にマスキングテープなどで養生を施します。
下地の修復が終わったらいよいよ塗装をしていきます。基本は下塗りと上塗りのみなのですが、耐久性や仕上がりのためにさらに重ね塗りをする人もいます。下塗り塗料は、後ほど詳しくご紹介しますがサビ防止効果のあるものがおすすめです。
下塗りをしたら、さらにトタン用塗料を塗っていきます。端や段差などにはハケを使いますが、広い面はローラーバケやコテバケなどを使うとよいでしょう。塗料が手に付着しないくらいに乾いたら、マスキングテープを取り除いて完成です。
使用したハケやローラーなどの器具についた塗料は新聞紙などに塗りつけて落とし、水やペイントうすめ液で洗い落したのち、中性洗剤で洗って陰干しをします。その際は必ずゴム手袋などを装着し、手荒れなどの影響を防いでください。
塗装修復ができないケース
ここまで塗装の方法を解説させていただきましたが、そもそも塗装しても修復ができないケースもあります。腐食が進み穴のあいているケース、割れやヒビなど破損しているケース、すでに雨漏してしまっているケースなど、塗装ではどうにもなりませんので修理業者に依頼しましょう。
トタン屋根の塗料のおすすめの種類
トタン屋根の塗料には下塗り材と上塗り材が存在し、上塗り材には水性のものと油性のものが存在します。下塗り材は上塗り用の塗料とトタンのつなぎになるだけでなく、サビ止め効果をもつものもあるのです。
上塗り用の塗料ですが、屋根は雨風や紫外線など一番影響を受け続ける場所のため、持ちのよい油性の塗料がおすすめです。ちなみに油性の中でも分類があります。分類はアクリル、シリコン、ウレタン、フッ素とあり、段々耐久性が強く、値段も高くなる傾向が見られます。
トタン屋根の塗装は「サビ止め塗料」が重要
トタン屋根はサビが一番の天敵といっても過言ではありません。下塗り材はただのつなぎではなく、当然サビ止め効果のある塗料をおすすめします。
どんなサビ止め塗料がよいの?
サビ止め塗料は耐久性に優れていること以外にも、塗ったときのムラが少なく浸透してくれることが重要です。事前にサビを落としトタンを削ったりとしていても、どうしても凹凸は生まれてしまいます。浸透性のない通常の塗料ではそのへこみ部分を塗り残し、その隙間に水が溜まって膨らみ壊れ……といったことが起こってしまうのです。
そういった破損を防ぐためにも、凹凸や段差にまで行きわたってくれる、浸透性のある変性エポキシ樹脂サビ止め塗料を下塗りに使うことをおすすめします。
トタン屋根に雨漏りが見つかったら修理をしよう
トタン屋根の修理が塗装だけでは済みそうにない、穴や雨漏りが発生している場合は修理をすることになります。
トタン屋根の修理方法
トタン屋根に穴があいてしまった場合、自分でできるのは防水テープを貼ることや、コーキング材で塞ぐことぐらいです。しかしそれも、傾きがあり強度も落ちているトタン屋根の上に登ることになるためおすすめできません。
あくまでできることは応急処置であり、トタンの張り替えをご自身で試みるのはとても危険ですのでおすすめできません。無理をせず、業者へ依頼するとよいでしょう。
トタン屋根の修理にかかる費用相場
トタン屋根の修理の費用ですが、そもそも屋根の修理というものが、相場が出しづらいものです。塗り直しや小さな修理程度でしたら10万円以下でおさまることもあります。しかし屋根の形状によっては全体を葺き替えなければならないこともあり、場合によっては費用が100万円を超えてきます。
年数や足場、角度などさまざまな要因で費用が変わってしまうため、一概に相場を出すことはできません。また、修理方法が難しいほど費用が高額になってしまいます。はっきりと料金を知りたい際は、見積り無料の業者に費用を計算してもらうとよいでしょう。
トタン屋根には1枚ずつトタンをはめていく平板タイプの屋根と波板タイプの屋根があり、平板タイプなら交換や葺き替えは簡単です。反対に波板タイプはその部分だけ交換するわけにはいかず、場合によっては全体を葺き替える必要が出てきます。
トタン屋根の修理方法もさまざまで、上から重ね貼りをする方法、下地を補強してから重ね貼りする方法、葺き替えがあります。重ね貼りが一番安く、下地を補強してから重ねる方法は葺き替えと変わらない料金がかかってしまうこともあるため、葺き替えをおすすめします。
また、近年ではトタンにかわってガルバリウム鋼板という屋根材も使われており、こちらを使用すると耐久性へ期待ができるものの少し値段が上がります。
トタン屋根には寿命がある
トタンの耐用年数は15~20年と言われていますが、トタン屋根として利用する場合は5年を目安に塗装を行い、15年~20年を目安に葺き替えをする必要があります。他の屋根材と比べると寿命が短いトタンなのですが、近年、先ほども少しご紹介したガルバリウム鋼板という耐久性に優れた屋根材も登場しました。
ガルバリウム鋼板は一般的なトタンと比べた際、約4倍の錆びにくさと20~30年という耐用年数があります。その割に大きく価格が上がらないこと、全て板状タイプにすることで葺き替えを楽に安くできることなどのメリットがあります。
トタン屋根の調査は雨漏り修理110番の無料調査からご相談ください
おすすめ塗料が分かって必要アイテムを揃える前に、改めて確かめておきたいのがトタン屋根の劣化レベルです。
自力での修繕に少しでも不安を感じたら、一度業者に見てもらって第三者の意見も参考にしてみましょう。
屋根修理のプロであれば、長い目で見て最もコスパがよく合理的な方法が分かるからです。
最善の方法を診断してもらうことで、無駄な手間やトラブルを避けられるのはもちろん、日々の安心感も得られます。
雨漏り修理110番では、無料相談と現地スタッフによる調査で、ご自宅の屋根に最適な対処をご提案。
「仮にトタンをガルバリウム鋼板に葺き替えたらいくら?」などの疑問にも、無料見積りで具体的にお答え可能です。
また、雨漏り修理110番はご契約前のキャンセル料0円、年中無休で多くのお客様にご好評をいただいております。
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