台風のような強風や大雨によって雨漏りした場合、ひどいときは家の壁や床が水浸します。大切にしている家具や電子機器にまで水がかかると、最悪の場合壊れてしまうことも…。そうなった場合、その後の対処が本当に大変ですよね。
なるべく自分で防止できればいいけれど…一体どうすればいいんだろう?そんなふうに考えている方は、これから紹介する雨漏りの対策方法をぜひ参考にしてみてください。
ほかにも、台風による雨漏り被害についての詳細や、万が一業者に雨漏りの修理依頼をする場合に備えて、業者選びのポイントもお伝えします。
雨漏りが起こった!その対策方法とは
みなさんのなかには、雨漏りと気づかずに雨漏りした箇所を放置している方がいるかもしれません。また、雨漏りが起きた原因として「家の工事が実は失敗していたのでは?」と不安を感じている方もいるかもしれませんね。まずは、雨漏りとその原因について詳しく見ていきましょう。
雨漏りの原因は?
雨漏りが起きたときは、その雨が家のどこから入ってきたのかを把握することが最も重要です。
台風のときに多く見られる雨漏りの原因について紹介します。
■屋根
屋根の素材にひびが入っていたり、小さな隙間や釘に浮きがあったりするとそこから入ってきます。日本で最も多く使用されている屋根材である瓦屋根であれば、瓦が割れたりめくれたりするのも原因のひとつです。
■サッシ
外壁とサッシの間に隙間があったり、サッシの素材自体が劣化していたりするとそこから入ってきます。ほんのわずかな隙間であっても、台風の場合は力強い雨が降るので、侵入する雨水の量は多くなってきます。
■壁
壁そのものから雨漏りする原因は、外壁の塗装がハゲたりひび割れている場合です。長期間、外壁のメンテナンスをおこなっていないときに起こりやすいと言われています。
雨漏りの原因となる箇所を紹介しましたが、これらは共通してメンテナンスをおこなう必要があることがわかりますね。また家が古かったりすると、上記のような雨漏りの原因になる可能性はさらに高まります。
しかし、家というのは構造も立地条件もぞれぞれ異なるため、表面的には見えない部分から雨漏りしているということもよくあります。
まずはご自身の雨漏りの原因となるものが、上記の3ヵ所に当てはまるかどうか調査してみて、それでも原因がわからない場合は、業者に雨漏り調査を依頼してみるのがおすすめです。業者に関するお話はあとで紹介します。
こんな症状も雨漏りです!
天井からポツポツと雨が漏れているようなよくあるケースと異なり、すこし気付きにくい雨漏りの症状をまとめてみました。
- 天井にうっすらとシミが出ている
- 壁紙の上の方に黒いシミが出ている
- 外壁が剥がれていたり、ひびが入っている
- 障子やふすまが波打っている
- 結露が多くなる
- 床が膨れ上がる
こういった症状は、しばらく時間が経ってからでないと気が付かないものです。また、この症状が雨漏りの症状であることを知らないという人もたくさんいます。台風後の数日間は、注意して家のなかを観察してみてくださいね。
雨漏り対策に役立つグッズはある?
現在では、ホームセンターなどで簡単に用意できる防水テープ、雨漏り補修液、吸水シートなど雨漏り対策グッズがたくさん存在しています。しかも、簡単に修復できるわりに本格的なものが多いので、比較的楽な方法で効果が期待できます。
雨漏り対策グッズでも不安な場合は一度プロにご相談ください。
■防水テープ
原因となる箇所に小さなひびが入っている場合などは、応急処置として防水テープを張ります。防水テープの種類は豊富にありますが、雨漏り対策には水漏れ防止用のものを使いましょう。屋根や外壁などの屋外に適した強力な防水テープもあります。
■雨漏り補修液
屋根材や外壁などに大きなひびが入っている場合は、雨漏り補修液を使用するという方法も。この場合、セメントと混合してハケで塗っていくため、別に準備するものや作業時間も必要となりますが、効果は絶大です。
■吸水シート
雨漏りや水漏れの予防に使用します。もともとは一枚のシートなのですが、水を吸うことによってクッションのように膨らみます。サイズは1m以上の大きいものから小さいものまでさまざま。
また、使ったあとは天日干しで数日間自然乾燥させることで、繰り返し使うことができます。土嚢やブルーシートと併用することでさらに効果を上げることができます。
台風による雨漏りの被害は絶大
続いて、台風によって雨漏りが発生する理由や、どのような被害につながるのかなどを紹介します。
台風のときだけ雨漏りする理由は?
通常の雨では雨漏りしないのに、台風のときだけ雨漏りするという家が多くあります。
この理由は、台風のときの大雨は強風によって圧がかかった状態でさまざまなものに当たるからです。たとえば、横から強い力で入ってくる雨水や、地面に打ち付けて上に舞い上がるような雨水などがあります。
また、建物の外壁や屋根の構造によって、雨水が入り込みやすい部分というのがあります。通気口としての役割を果たす換気扇や通風口から入り込むこともあります。
少量の雨漏りでも被害を拡大しないために、一度プロに調査依頼をお願いしましょう。
また、建物の外壁や屋根の構造によって、雨水が入り込みやすい部分というのがあります。通気口としての役割を果たす換気扇や通風口から入り込むこともあります。
雨漏りによる被害
雨漏りが引き起こす被害には恐ろしいものがたくさんあります。
・家にダメージを与える
雨水は、家のどこかから侵入してきて、そこから必ずどこか別の場所を経由して目に見える形で落ちてきますよね。それは、雨水の経路となった箇所も必ず濡れているということ。
目には見えなくても、家じゅうのいたるところが雨水によって傷んでしまう可能性があります。そうなると、家の素材が腐食してしまい、十分な強度を保てなくなるかもしれません。
・シロアリが発生する
シロアリは湿気の多い場所を好む生き物。上記のように家のなかの見えない部分が水に侵されてしまうと、そこはシロアリにとって絶好のすみかとなってしまいます。そんなシロアリは雑食性でなんでも食べてしまうため、柱などの
家を支える大切な部分が被害にあう危険性があります。
上記のような被害は、万が一地震がおこった場合に家の倒壊を招くことにつながりかねません。
・アレルギーや喘息を引き起こす
雨漏りによって天井や壁などに湿気がこもるとカビが生えやすい家になってしまい、そこで暮らす家族にアレルギーや喘息などの被害が及びます。薬剤などを使用することでカビを撃退することは可能ですが、家の広範囲にわたってそういった薬剤を使用するのは、人体への影響を考えるとなるべく避けたいものです。
雨漏り予防のために配慮したいことは?
常日ごろからご自身の家をくまなくチェックするというのは重要なことです。
普段は見過ごしがちな箇所も、意識して目を向けるようにしましょう。
雨水の影響を受けやすい所を確認しましょう。
- 外壁にひびや剥がれ、変色がないか
- 点検口を通じて屋根裏や床下を除いて、雨水の跡や腐食がないか
- 壁やサッシに劣化している箇所はないか
- 天井や壁にカビが生えている箇所はないか、またカビ臭い部屋はないか
雨漏りを早い段階で予防するためには、雨漏りするリスクの少ない家を選ぶという方法もあります。たとえば屋根や窓の形はたくさんあるので、好みのインテリアを楽しむことができますが、性質上雨漏りしやすい形の屋根や窓というのがあります。そういったものをなるべく採用しない家を選ぶというのも、今後家を購入する方にとっては大切なのではないでしょうか。
雨漏りの修理業者に依頼するメリット
雨漏りの修理は難しいもの
雨漏りというと、自分で修復する方法もあるくらいなので業者に頼むほどでもないのでは?と思われる方もいるかもしれません。しかし、「雨漏り診断士」という資格が存在するほど、雨漏りの原因をつきとめる方法や修理の技術には高度なものが求められます。
自分で修復するのはあくまでも一時的な処置にすぎないので、完全に修復するためには雨漏りに関する知識が豊富にある業者に依頼をする必要があります。
火災保険に加入しているなら
もし、あなたが何かしらの火災保険に加入していたとすると、台風の影響による雨漏りの被害は火災保険で補償できるようになっています。
しかし、雨漏りの被害が台風によるものなのか、それとも経年劣化によるものなのかは、火災保険の調査官の判断にゆだねられます。
調査官に実際に現地で調査してもらい、火災保険のなかの「風災」にあたると認められれば、保険料を受け取れるようになっています。
業者選びのポイント
まずはじめにやるべきことは、複数の業者から見積もりをとってそれらを比較してみること。
ここで、比較すべき点として注目したいポイントはどこなのかを詳しく紹介します。
雨漏りに関する知識があるかどうか
きちんとした知識のないまま工事を請け負っている業者も少なからず存在します。そのような業者に依頼してしまうと、また同じような雨漏りを繰り返してしまうかもしれません。
業者のホームページを見て実績をチェックしたり、修理の事例などがあれば参考にして、必ず専門的な知識をもった業者を選びましょう。
見積もり内容をしっかり説明してくれるか
明細を詳しく見せてくれなかったり、説明が極端に少なかったりすると要注意。また、説明の際も相手の目線に立って説明してくれているか、質問に対して誠実な姿勢で対応してくれるかなど、業者の接し方もよく観察しておきましょう。信頼できる業者かどうかを見極めるために、とても大切なことです。
まとめ
雨漏りの原因や対策、被害について詳しく説明してきましたが、いかがでしたか?一度や二度雨漏りした程度なら問題ないと、家を放置してしまっては危険です。目に見えてわかる症状として現れる場合もあれば、少しずつ侵食される場合もあります。
自分でできる対策は、日ごろから意識的におこなうようにしましょう。そして、もしもの場合は信頼できる業者に依頼してみてください。きっと、あなたの悩む雨漏り問題をしっかり解決してくれることでしょう。
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