陸屋根からの雨漏りを予防するには、防水機能を高めるための防水工事が必須になります。陸屋根は構造上、水はけがとても悪くなっているため、一般的な屋根と比べて雨漏りが発生するリスクが高いからです。
このコラムでは、陸屋根の防水工事の必要性や防水工事の種類を解説しています。雨漏り予防にはメンテナンスも大切なため、そのタイミングについてもご紹介します。陸屋根の防水工事の大切さを知って、雨漏り対策をしっかりとおこないましょう。
陸屋根の防水工事の必要性
陸屋根の防水工事が必須である理由は、陸屋根特有の構造にあります。まずは、陸屋根とはどういう構造なのか、なぜ防水工事が必要なのかご説明しましょう。
陸屋根は、人が歩けるほど平面の構造をしているので、屋根のスペースを有効活用したり、メンテナンスしたりするなど幅広い用途で使うことができます。しかし、一般的に使用される屋根のような斜面になっていないため、降ってきた雨水を排水することが苦手なのです。
屋根の排水がうまくいかず雨水が溜まったままの状態が続くと、その水分の影響で屋根材の劣化スピードが早くなっていき、やがて雨漏りの原因になることも。このことから、陸屋根の防水工事をすることは、雨漏り予防の面でとても重要なことなのです。
4つの防水工事【工法・費用・工期】まとめ
ご紹介したように、陸屋根の防水工事は雨漏りを予防するうえで重要なものです。そのため、陸屋根が劣化して雨漏りが発生しないよう、業者に依頼して防水工事をしてもらいましょう。
なお、防水工事の方法はおもに4つの種類があり、費用や工期などの特徴が異なるためしっかりと把握してから防水工事の種類を選ぶ必要があります。ここでは、陸屋根の防水工事に用いられる4つの方法について簡単な特徴をご紹介していきますので、参考にしてみてください。
シート防水
【シート防水の特徴】
工法:塩ビシート、ゴムシート
費用:4,000~7,000円/㎡
工期:約4~5日
シート防水とは、防水性能の高いシート状の防水層を、陸屋根の下地に何枚も貼り付けておこなう防水工事方法です。塩ビシートとゴムシートの2つの工法がありますが、性能や施工しやすさなどの観点から、前者の工法のほうがよく使用されています。
また、シート防水は防水機能がとても高いというのが大きなメリット。さらに費用も抑えやすいので、陸屋根の防水工事に向いているといえるでしょう。なお、シート防水は複雑な地形には適していないため、業者に依頼するときは自宅の陸屋根をシート防水できるかをよく確認しておくことが大切です。
アスファルト防水
【アスファルト防水の特徴】
工法:熱工法、トーチ工法、常温工法
費用:5,000~8,000円/㎡
工期:約6~10日
硬くて丈夫なアスファルトを密着させて防水機能を高めていくのがアスファルト防水です。熱工法やトーチ工法とよばれるものは、専用の窯やトーチバーナーを使用して熱でアスファルトを溶かしながら施工していきます。そのため、施工時には強い臭いが発生することから施工する際は近所迷惑にならないように配慮しなければなりません。
また、常温工法は熱を使用せずに施工をおこなうため臭気が気になる方におすすめです。いずれの工法におこなうにせよ、アスファルト防水の防水性能はとても高いものになっているので、性能を重視するなら検討してみましょう。
ウレタン防水工事
【ウレタン防水の特徴】
工法:通気緩衝工法、密着工法
費用:3,000~7,000円/㎡
工期:約3~10日
ウレタン樹脂という、ゴムのような弾力のある塗料を屋上の下地に隙間なく流し込む方法がウレタン防水工事です。塗料で埋めるという方法なので継ぎ目のない仕上がりになり、さらに安価で施工しやすいため予算に余裕がない方でも陸屋根の防水機能をしっかりと高めることができます。
ただ、ウレタン防水は劣化がみられやすいため、防水機能をしっかりと維持したいならこまめな点検をおこなうなどの手間が必要になってくるでしょう。また、下地がコンクリートの場合は通気緩衝工法、ウレタン防水の上に重ねて塗る場合は密着工法により施工されます。
FRP防水工事
【シート防水の特徴】
工法:なし
費用:4,000~8,000円/㎡
工期:約1~2日
FRP防水はガラス繊維などで強化されたプラスチックを使って層を作り、陸屋根の防水工事をおこなう方法です。重量があまりなく丈夫なので、耐震性能を維持しながら陸屋根の防水機能を高めることができます。さらに、工期も短いため急ぎで防水工事をしたい方にも向いているでしょう。
ただし、FRP防水は天気や気温の変化にとても強いものの、紫外線に弱いため屋上というよりはベランダの防水工事で使用されることが多いです。FRP防水は陸屋根にやや向かないものですが、ご自宅の環境次第では選択肢に入ります。
防水工事はメンテナンスも大切!
業者に陸屋根の防水工事をしてもらうだけでなく、その防水工事の種類に適した方法や頻度でメンテナンスをすることも、雨漏りを予防するうえでは大切です。ここで、それぞれの耐用年数とメンテナンスをしておくタイミングについてご紹介していきます。
防水工事の耐用年数
各防水層には貼り替えをするときの目安として、耐用年数(寿命)というものがあります。ここでご紹介した4つの陸屋根の防水工事における耐用年数を以下にまとめました。次回、新しく防水工事をするときの目安としてみてください。
【各防水層の耐用年数目安】
シート防水:15~20年
アスファルト防水:20~30年
ウレタン防水:12年程度
FRP防水:10年程度
このように、各防水層は施工後から10年以上持つことが多いですが、なかには20年以上持つものもあります。なお、ウレタン防水やFRP防水については、5年に1回はトップコート(層の表面)を塗り替える作業が必要です。また、トップコート塗り替えにかかる費用は、「1,500~2,000円/㎡」程度となっています。
症状からみるメンテナンスのタイミング
陸屋根の防水工事で施工した防水層は、雨水からしっかりと建物を守ってくれます。しかし、定期的なメンテナンスをしないと耐用年数の目安よりも早く劣化してしまうこともあるのです。できるだけ長く防水機能を維持するために、5~10年に1回は業者に依頼して定期的なメンテナンスをしてもらうようにしてください。
また、防水層の異変を早期発見できるよう、自身でもこまめに陸屋根の様子をチェックしておくと防水層を長持ちさせることにつながります。もし陸屋根に以下の症状がみられた場合、業者に依頼して、部分補修やメンテナンスをしてもらうとよいでしょう。
優良な業者を選ぶコツ
最後に、陸屋根の防水工事を業者に依頼するうえで重要なポイントについて解説していきましょう。検討する際は、以下を押さえておくことが優良な業者選びのコツです。
【優良な業者を選ぶコツ】
- サイトやブログから実績を確認する
- 接客対応を確かめる
- 複数の業者から見積りを取る
陸屋根の防水工事は、10数年以上に一度の重要な工事になります。そのため、施工技術が高くて対応が信頼できる業者を選ぶようにしてみてください。また、1社ではなく複数の業者に見積りを取ってもらうことが重要。各業者を比較することで、優良な業者を選びやすくなります。
ただ、「業者探しをするのは少し面倒」「見積り料金をかけたくない」など、相見積りをするにあたって心配な面もあるかもしれません。そんなときは、弊社のサービスをご利用してみてください。
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