防水工事チェックシートは「経過観察」「要注意」「修理が必要」など、現在どの段階の症状にあるのか判断するときに便利なツールです。メンテナンスを先延ばしにしていた方は、チェックシートでまずは判断してみるとよいでしょう。
防水層は月日とともに日々劣化していくため、長年メンテナンスせずに放っておくと、甚大な雨漏り被害を被ってしまうおそれがあるからです。
このコラムでは、自分で防水層の状態を確認できるように『防水工事チェックシート』を掲載しています。チェックシートを参考にしながら、建物の防水層の状態を確認してみてください。自分では判断に迷う症状を発見した場合は、決してそのままにせず業者に調査を依頼することをおすすめします。
【工法別】防水工事のチェックシート
防水工事は雨風から建物を守るために、非常に重要なものです。一度、防水工事を施すと数年はそのままでも大丈夫ですが、日々劣化していくものであるため、定期的に状態を確認する必要があります。メンテナンス時期や寿命を迎えている場合は、そのまま放っておかず、防水工事のチェックシートをもとにまずは自分で確認してみるのもよいでしょう。
防水工事の種類については「防水工事は4種類から選べる!屋上やベランダなどに最適な工法を紹介」をご覧ください。
ウレタン防水工事
ウレタン防水は塗料を塗って施工していくため、経年劣化により塗料関連のトラブルが起きやすくなります。ウレタン防水工事のチェックシートを見て、以下のうちいくつに当てはまるのかを確認してみてください。
- 防水工事後10年以上経っている
- 雨漏りが発生している
- 防水層の塗装が粉っぽくなっている
- 表面が剥がれて色が変わっている
- 地割れのようなヒビが入っている
- 塗膜の割れや膨れがある
- 立上り面の上面にヒビ割れがある
- 防水層が破れて穴が開いている
- 防水層からコケや植物が生えている
- 防水層がめくれあがっている
これらのうち3つ以上当てはまった場合は、業者に依頼して防水層の状態をチェックしてもらう必要があります。また、ウレタン防水の耐用年数(寿命)は10年で、塗装を塗り替えるために5年周期での定期メンテナンスが必要です。チェック個数関係なく1番に当てはまる、5年以上メンテナンスをしていないといった場合も業者に相談しましょう。
シート防水工事
シート防水工事は、防水効果のよいシートを重ねて貼るという仕様上、経年によりめくれやシワが発生しやすいです。以下のシート防水工事のチェックシートを確認しながら、劣化がみられないか確認してみてください。
- 防水工事後10年以上経っている
- 雨漏りが発生している
- シートに破れがみられる
- シートの継ぎ目にめくれがある
- シートの端部分にシワがみられる
- 鳥につつかれたような跡がある
- 立上り面の上面にヒビ割れがある
- 立上りにあるシーリング材が劣化している
- 排水溝周りのシートが剥がれている
- シートに大きな穴が開いている
こちらも、3つ以上当てはまったら要注意です。また、シート防水の耐用年数はシートの素材によって異なります。ゴムシートの場合は10~15年、塩ビシートの場合は10~20年なので、耐用年数に近づいたら貼り替えの必要があるのか業者に調査を依頼してみましょう。
アスファルト防水工事
アスファルト防水工事は硬い素材でできているため、耐用年数も20年以上と長いのですが、反面割れが起きやすくなっています。壁や床に亀裂が起きていないか注目しながら、アスファルト防水工事のチェックシートの項目を確認してみてください。
- 防水工事後17年以上経っている
- 雨漏りが発生している
- 屋上外壁に横線のような亀裂ができている
- 大きなヒビ割れがあり、叩くと軽い音がする
- 伸縮目地(継ぎ目)が浮き出ている
- 伸縮目地からコケや植物が生えている
- 立上り面が割れている
- 排水溝周りに割れが起きている
- アスファルトの膨れや剥がれが起きている
- 水たまりができやすくなっている
防水工事のチェックシートを活用してみて、3つ以上当てはまる場合や防水工事が必要だと感じたら、業者に相談してみましょう。判断に迷う箇所があった方も、そのまま放っておかず業者に調査してもらうことをおすすめします。続いて、防水工事の費用相場についてご紹介していくので、業者依頼をするときの参考にしてみてください。
防水工事の費用相場
もし、防水工事のチェックシートを活用した結果、貼り替えなどの再工事が必要になった場合、目安として以下の費用がかかります。ここでは、一般的な住宅の広さである「30坪」を基準としてご紹介していきます。
シート防水:70~120万円
アスファルト防水:70~110万円
なお、防水工事の費用は施工方法や雨漏りなどの被害状況、家の大きさなどさまざまな要因によって変わってきます。そのため、自宅の防水工事にかかる正確な費用を知りたい場合は、業者に依頼して見積りを取ってもらうとよいでしょう。
業者を選ぶ際は、ココに注意しよう!
防水工事は、屋根や屋上などの防水機能を維持するうえでとても重要なものです。そのため、施工技術が高くて信頼できる業者に依頼する必要があります。業者を選ぶ際は、これからご紹介する3点を考慮しておきましょう。
費用内訳が明瞭
業者を探してみて良さそうな業者が見つかったときは、まず業者に現地調査を依頼して見積りを取ってもらいましょう。見積りを受け取ったら、その内訳を見て「内容が具体的にかかれているか」「不明瞭な項目が載っていないか」を確認してみてください。
たとえば「〇〇一式」といったあいまいな記述がされている場合は注意しましょう。その内容の詳細が分からないため、こちらが想定していない無駄な費用が含まれている可能性があるからです。また、見積書の内容で分からない点があれば気軽に相談するのもコツのひとつ。相談した結果、疑問が解消できなかった場合は、施工するうえで不安が残るため別の業者を考えてみましょう。
対応が親切・丁寧
施工を検討している業者に現地調査や見積りを依頼しているときに、その業者の対応は丁寧なのかも確認しておくことが大切。現地調査を数分で終わらせない、こちらの質問に対して詳しく答えてくれるなどしっかりとした対応をしてくれる業者は安心して依頼できるものです。
また、防水工事施工後のアフターフォローについても注目しておくとよいでしょう。施工不良が出たときの対応はどうなのか、数年に1度のメンテナンスをしてもらえるかなどをあらかじめ確認しておくことがポイント。これらについて把握しておくことで、いざメンテナンスや再工事が必要になったときに新しく業者を探さなくて済みます。
口コミでの評価が高い
インターネットには業者の口コミを比較しているサイトや、施工業者に依頼した体験談が書かれているブログなどもあります。迷ったときは、それらの口コミ評価を確認してみるのもよいでしょう。その業者に依頼したときの具体的な“生の声”が聞けるかもしれません。
ただ、口コミ評判はあくまで「参考程度」として見るもので、その口コミだけですべてを判断しないようにしてください。見積書や対応などを含めて総合的に判断することが大切です。
選び方については以上となります。まとめると、「見積書が明瞭」「対応が丁寧」「評判が良い」の3つが優良な業者選びのコツ。防水工事は大掛かりな作業となるので、業者選びは少しこだわったほうが施工後の後悔も起きにくいでしょう。
また、防水工事の業者選びに困った方は、弊社のサービスを利用するのに適しています。弊社では、見積書の作成や対応が丁寧で、評判やサービスの良い防水工事業者をご紹介するサービスを展開しているからです。今回ご紹介した防水工事のチェックシートに対応した修理内容で依頼することも可能なので、防水工事や修理でお困りでしたらぜひご相談ください。